東京都知事選挙について、マスコミは舛添要一氏圧勝との報道一色。
だが、舛添氏は果たして「勝利」したのか?
というのは、
彼を支援した自民・公明の基礎票が約230万票と見られているからだ。
従って、この数字から更にどれだけ積み上げることが出来るかが、
舛添氏自身への支持を測る目安になるはずだった。
選挙関係者の間では250万票を超えるかどうかが、
舛添氏がイニシアチブを握る為の、
事実上の勝敗ラインと考えられていたようだ。
ところが、大雪の影響があったとはいえ、
基礎票すら大きく割り込み、
僅か210万票余りという予想外に低い得票数にとどまった。
これでは今後、舛添氏は自民・公明両党に頭が上がらないだろう。
「圧勝」なんてとんでもない、
というのが本人の偽らざる心境ではないか。
ちなみに今回の選挙結果から、
都民は「脱原発」にノーの意思表示をした、
と早合点する向きがある。
だが勿論、そうではない。
改めて言うまでもなく、
舛添氏も「脱原発」を明言しているからだ。
細川候補などが「即ゼロ」を唱えていたのに対し、
「徐々にゼロ」との主張。
だから、有権者の圧倒的多数は
「脱原発」の候補者に投票したことになる。
原発推進派の田母神氏の得票数と、
舛添・宇都宮・細川氏らの合計得票数を比べると、
選挙で示された原発に対する民意の大まかな傾向を
知ることが出来る(「即」ゼロ派と「徐々に」ゼロ派はほぼ拮抗)。